ギターヒーロー降臨

音あと

 これまで自分のギターを弾くまでのルーツ音楽について書いてきました。そこで中学〜高校の多感な少年時代に出会った音楽のことに触れてきましたが、それらは未だに自分にとってトキメキがある宝物です。

そして、そんな時に出てきた私にとっての最初のギターヒーローが、
Edward Van Halenでした。
まさに彗星のごとく現れた、私にとっては本当のスーパーヒーローだったのです。

 当時の私は中学二年生から弾き始めたギターが一向に上達できずに、ただ悶々とギターに触っているだけという日々を送っていました。
 それでもギター専門誌YOUNG GUITARは読み続け、その中でタブ譜の存在を知り、それを見ながらフレットを押す場所をな〜んとなく探すという、例えると、迷い子のように途方に暮れた状態でした。

そんな中でヴァン・ヘイレンを聴いたのです。モチロン最初は
”You really got me”
でした。

もう何が何だかわからない衝撃!
カミナリが落ちたようなとはこのことで...
即1stアルバムを買いにレコードショップへ...

★VAN HALEN 1st
全ロック・ギター・キッズあこがれ

そして帰ってから、レコードに針を落とした瞬間、鳥肌が立ちました。

1曲目の “Runnin’ with the Devil” 邦題「悪魔のハイウェイ」
 のっけからディレイマシンを使ったギミックによるハイウェイ感のあるSFXから、ゆっくりしたテンポで、まるで走行前のエンジン・アイドリングのようなアンソニーの骨太ベースが鳴り響き、これから始まるぞという高揚感を掻き立てていきます。
 そこへギターヘッドの弦を鳴らしたジングルから、間一髪のディストーション・グリッサンドへ...そしてシンプルだけれどもヘヴィなリフへとなだれ込む!その瞬間、総毛立ったのを今でも覚えています。
 ハードなリフから、叙情的なデイブの歌が始まり、ギターも抑え気味に...そこからサビへ、静から動へ盛り上がっていくドラマ性!
 サビからさらにまくしたてるような印象的なエディのギターソロ!!
もうドキドキが止まりませんでした。

 ここでのエディのギターソロは、彼の中でも比較的手数の少ないシンプルなソロですが、メロディが秀逸で、弾きまくらなくっても、説得力のある本当に素晴らしい弾きっぷり...こういうところがエディの凄さなのだなと、今改めて思います。

 エンディングではイントロのリフがリフレインされ、デイブの雄叫びがどうだどうだと興奮を高めていきます。

 最高の演出で終わった1曲目。その余韻を感じる間もなく、アレックスのドラムフィルからエディの激しいギターソロが始まります。そう、ロック史上、ロック・ギター史上最高のギターソロの一つ
“Eruption”  
邦題「暗闇の爆撃」が始まります。

 このギターソロでノックアウトされた当時のギターキッズは少なくないのでは、というかみんなこの曲に夢中でした。
ギタリストに限らず、ロック好きな人にはたまらない...
そんな事件のようなギターソロでした。
そして、ここでエディが披露したテクニック
ライトハンド奏法
これが、この曲をさらに盛り上げていきます。

 ちなみにライトハンドが苦手な私ですが、このEruptionのギターソロは、やっぱり当時相当練習しました。でもやってもやっても上手くならなかったので、あきらめてしまったんです。もうちょっと頑張って続けていれば、Greg Howeのようにもっと両手を上手く使えるようになっていたかも?...まあ何を言っても言い訳ですね😢

★Greg Howe “Parallax”
 彼のタッピングはライトハンドという特殊性の壁を取っ払った、
 両手を効率よく自在にするための手段として使いこなしてる点で私の理想形です。
 あと、弾いてる時の立ち姿がカッコイイ!

 そしてEruptionの興奮が冷めないうちに、デビュー曲の”You Really Got Me”でさらにオーバードライブしていきます。
 ずーっとヴァン・ヘイレンのオリジナルだと思っていた、この曲はKinksのオリジナルということを随分と後になってから知ったのですが、初めて原曲を聴いた時にそのギャップに驚きました。それ以上に、当時何でこの曲をカバーしようとしたのかさえ疑いました。
 その後のアルバム、Diver Downでロイ・オービソンのプリティ・ウーマンをカバーした時にエディが、本当はやりたくなかったんだけど、デイブのアイディアでやったみたいなインタビューを読んだような気がします。デイブは自身のソロ・アルバムでも結構カバー曲をやっており、そういうことから考えるとYou really got meもデイブの案だったのかな~と思ってしまいます。
 まあ他のバンドの曲をオリジナル以上に自分たちの曲にしてしまうロック・アレンジのセンスがあるのがヴァン・ヘイレンの凄さだと思うのですが...

話を戻しますと...
次の4曲目”Ain’t Talkin’ ‘bout Love” 邦題「叶わぬ賭け」
 またもや印象的なミュートを駆使したギター・リフから始まる名曲(VAN HALEN 1stは全曲名曲なので今更なのですが~)。1曲目の時にも書いたんですが、エディのリフってシンプルでヘヴィーですごく印象的です。
 巷の速弾きだけのバカテクギタリストに対する私の印象(偏見?)は、ギターソロで弾きまくるだけで、ロックの肝となるリフがいまいちかなーと思うことが少なくない気がします。
 エディは曲の良さを引き出すためには、必要以上のテクニックは出さずに、その曲がよりよくなるような演出ができる稀有なギタリストだと思います。歌心であったり、そういった感性が非常に優れているからできるのでしょう。この曲もそんなエディのコンポーザーとしての素晴らしさが垣間見える曲でした。

 5曲目の “I’m the One”から最後の”On Fire”(邦題「炎の叫び」)まで、気が抜けないまま疾走していくVAN HALENの1stアルバム。
 ロック史上に残るこの名盤を多感な少年時代にリアルタイムで聴けたことをありがたいと思うと共に誇りに思ってます。

何年かぶりにライトハンド奏法の練習をしてみようかな~
もちろんEruptionで!!!

P.S
 CharさんはBAHOのライブでライトハンドのしぐさをマネしながら「できないんだよね~ハイト・ランド」とボケてました。

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