もう一人のギターヒーロー

音あと

 前回エディ・ヴァンヘイレンが自分のギターヒーローとして降臨してきたことについて書きましたが、同じ時期に自分にとってのギターヒーローがもう一人登場しました。

 VAN HALENのデビューが1978年、この年にもう一つ自分にとって重要なバンドがデューします。それは、
TOTO
でした。

 VAN HALENと同じようにラジオから流れてきて、一発で好きになったのを覚えています。
そのラジオから流れてきた曲は
“Hold The Line”
でした。
 イントロでは印象的なリフから始まる本当にカッコいい曲で魅了されました。TOTOにはキーボードが入っていて、歌もポップで、もちろんVAN HALENとは違うのですが、この曲のギターソロではロックテイストではあるものの、今まで聴いたことのないメロディアスでスリリングなものを感じたのです。

そして、このソロを弾いていたのが
Steve Lukather
だったのです。

 まだAORだの、スタジオ・ミュージシャンとかいうキーワードが分からなかった時期でしたが、他のロックやポップスとは違う何かを感じて聴き入ってしまいました。

 Hold The Lineを聴き、やはり1stアルバムを欲しいと思うのですが、当時はそんなにお小遣いもないため購入できずFMでエアチェックした1stアルバムの数曲をしばらく聴くことになります。その中に”Child’s Anthem”、”Georgy Porgy”や”Girl Goodbye”などがあったのです。

★TOTOの1st
 今でも車の中で聴いてます。
 墓場に持って行きたい1枚!

 TOTOの曲はポップな曲、ロックな曲と多彩なのですが、ルカサーのギターはそれまで聴いてきたロックなギターソロとは違うメロディが感じられ、これが後々の自分にとってのアドリブ・ソロをやる上での指標となるのでした。また違うと感じたのは、ソロだけでなく、バッキングでもハードなリフの一面、クリーントーンでのジャージィな一面と多彩な演奏を聴かせてくれるのでした。

 当時の自分にはスケールやジャズ理論の知識もなく、比較的ロックで頻繁に使用されるペンタトニックに対して、ルカサーが色んなスケールを使っていることも分からず...ただ何だか分からないけれどオシャレでメロディアスな、でもロックしているギター・ソロ...くらいな印象だったと思います。それからしばらくしてアルバムを全曲聴く機会があり、その中で”You Are the Flower”を聴いた時に決定的にルカサーが自分の中のカリスマになるのを感じるのでした。
 後で知ったことなのですが、TOTOの1stアルバム発表時ルカサーは21歳、高校卒業後ボズ・スキャッグスのサポートをやっていたルカサーがTOTO(言わずもがな、TOTOメンバーはボズのサポートメンバーの集まり)のデビューに向けて”You Are the Flower”を録音したのは19歳の時だったそうで、その若さでこのセンス...もう脱帽するしかないなと思いました。

 自分が後にギターでアドリブをやるようになったり、ジャズに興味を持ち始めるようになるきっかけの一人にルカサーがいるのは間違いがありません。TOTOだけでなく、その他のアーティストの曲でギターを弾くルカサーにも本当にあこがれたものです。
 
 AORやスタジオ・ミュージシャンに関してのことは、いつか書きたいと思いますが、そういったことに興味を持つようになったきっかけであるルカサーが私にとってのギターヒーローであることには変わりありません。

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